制作風景 はさみカバー(2) ~ 和ばさみ

裁ちばさみに続き、2番目は和ばさみカバーです。

糸切り等の細かな作業に使うU字型の和ばさみ(握りばさみ)のカバーの製作工程を紹介します。和ばさみといっても用途によりいろいろなサイズがあるようですが、ソーイングで一般的な105ミリのタイプ用にレザーカバーを作りました。

小型で薄いはさみですので、カバーもスリムなデザインにしました。

1. パーツの裁断

パーツは裁ちばさみ同様、4つです。ベースと中敷き、ポケットが牛革で、ポケット裏に豚革を使います。

2. 補強その1 布芯

ベースとなる革に布芯を貼り、しっかりさせます。

3. 補強その2 中敷き

中敷きを貼り合わせます。ポケットの内側にくる個所はコバを斜めに漉いて厚みを抑えます。

4. 補強その3 豚革

ポケットの内側に豚革を貼ります。貼り合わせるときにわずかにアーチ形になるようにくせをつけながら貼ります。

ポケットの差し入れ口は先にコバを仕上げておきます。
はさみの刃先がくる先端部分は、裁ちばさみ同様に革に丸くくせをつけておきます。こうすることで縫い目に直接はさみの先端が当たらず、耐久性が増します。また、薄いデザインなので、丸みを持たせることで、はさみの出し入れがスムースになり、使い勝手がよくなります。

5. 貼り合わせ

ベースとポケットを貼り合わせ、周囲を切りそろえたら目打ちをします。

6. 縫い合わせと仕上げ

ステッチをして、コバを仕上げて完成です。
タンニンレザーの良いところは、コバを磨けば磨くほど、きれいに整えられる点です。革の断面を塗料で塗らなくても、丁寧に磨かれた断面はなめらかで美しくなります。

次はクラフト用はさみのカバーの製作工程を紹介します。

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